2016年07月18日

「馬券裁判 ─競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実─」裁判のことは少なめも常識的なことが書いてます

以前に世間を騒がせた馬券で大もうけした場合の税金問題。

その本人が自ら書いた書籍「馬券裁判“本人”が初めて明かす! 「馬券裁判 ─競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実─」」を読む機会がありましたので、感想を書いてみます。

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この本の読者が知りたいことは

  • 馬券裁判について
  • 1億5000万円儲けた予想法

の2つが主だと思います。


■馬券裁判については無難な記述

私もどちらかというと馬券裁判のほうに興味があったのですが、馬券裁判については約160ページの本の中の30ページ弱とあまりページは割かれていませんでした。

裁判についての内容も、裁判所の判決(機械的馬券購入については基本的にはずれ馬券も経費扱い)についてと、それを受けてほっとしたというのが主で、それ以上の突っ込んだ記述はなかったように思えます。まあ当事者で10億円の税金納付を求められていた人ですから、当局に目をつけられるのを恐れてると思うので、無難な記載になってしまうのはしょうがないのかな〜という気もします。


■予想法については真っ当(ある意味当たり前)のことが書いてました

もう一つの主題は1億5000万儲けた予想法、ということになります。
そもそも競馬で億単位で儲けるということ自体が非常識なのですが、この著者は良くも悪くもまじめな方なんだと思います。実際に馬券で大もうけしたわけですから、多少オカルト的なことを書いていても説得力が出てしまうのですが、書いていることは極めて常識的な内容といえると思います。よく言うと真っ当、意地悪な言い方をすると当たり前のことしか書いてないという感じでした。

要するに億単位で馬券で儲けるにはトータルの馬券購入額も数十億単位にする必要がある、そのためには馬券予算がショートしないように購入額を調整しつつ(基本は予算額全体に対する一定の割合を馬券購入額とする)、期待値が高い馬券をひたすら買い続ける。予想がハマって連勝が続くと馬券購入額も上がって著者のように億単位の儲けが出るということです。

じゃあ期待値の高い馬券をどう見つけていくかという著者の方法論がこの本に記載されてます。
もちろん結果的に儲かった場合、期待値の高い馬券の買い方をしていた可能性は高いのですが、馬券の買い方が本当に期待値を超えているかどうかは、結局誰にもわからないので、結局最後は自分の判断ということになります。


■競馬ソフトはTARGETではなく「馬王」をメインで活用

ちなみにこの著者も私と同じく競馬ソフトをフル活用して馬券を購入しているとのこと。一般的にはTARGET frontierを使っている人が多いと思うのですが、この著者は「馬王」を活用されているようです。


まあ実際に馬券で大もうけされた方ですし、書いている内容も常識的な内容で変なオカルトもありませんので、馬券好きなら読んでみて損はない一冊だと思います。






posted by knaka at 12:05 | 競馬本レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

「馬主の一分」マイケル タバート(著) を読んでみた【競馬本レビュー】

ハナズゴール等の馬主で知られるマイケル タバート氏の著書「馬主の一分」を読みましたので紹介してみます。

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まずタイトル「馬主の一分」を見て思い浮かんだのが藤田騎手の著書

目次を見てもわかるように、結構色々なテーマが雑多に記載されている感じです。


■騎手に対して結構本音の記述あり

目次を見ても分かる通り、馬主の目から騎手に対しては結構忌憚のない記載がありました。読んでいて面白かったのが、マイケル タバート氏には自分馬に載せたくない「NG騎手」がいるそうで、「一生懸命乗ってくれない騎手は好きではない」とのこと。残念ながらNG騎手の実名は記載されていませんが、ウィリアムズ、丸田、幸、浜中、加藤士津八等の騎手については実名で色々書いてました。

あと同じ大学でグリーンチャンネルの競馬コンシェルジュにも出演している棟広良隆氏とも親交があるそうで、棟広氏経由で藤岡佑介騎手とも知り合ったとのこと。棟広氏の予想スタイルからあまり競馬関係者の知り合いはいないのかと思ってましたが、そのへんの意外な情報も知れたりします。

上記の通り、馬主の目から見た騎手論を読みたい人、また安馬を中心とした馬主ライフを知りたい人は読んでみてはいかがでしょうか。



タグ:競馬本
posted by knaka at 11:42 | 競馬本レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月16日

「誰も書かなかった 武豊 決断」島田明宏 (著) を読んでみた【競馬本レビュー】

 武豊に関する書籍「誰も書かなかった 武豊 決断」を読む機会がありましたので、紹介してみます。

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Amazonから目次を抜粋すると以下のとおり。

第1章 宿命~なぜ「武豊」は美しくしなやかなのか?~ 
第2章 伝説~「心をあやつる技術」はこうして生まれた~ 
第3章 戦略~名馬が育てた「勝つ思考力」~ 
第4章 理論~試行錯誤でつかんだ「勝利のセオリー」~ 
第5章 野望~それでも「世界と戦う」理由とは何か?~ 
第6章 重圧~「究極の精神」はいかにして鍛えられたか~ 
第7章 逆境~あの「どん底」で何を思ったのか?~ 
第8章 決断~いま「武豊」が考えていること

基本的には、武豊の少年時代から現在に至るまでのストーリーが、著者の島田明宏さんの目線で記述されたものになります。島田明宏さんの武豊本は何冊かあり、Amazonのレビューを見ると一部内容の重複もあるようですが、私は初めて読んだこともあり気にならず、それなりに面白く読めました。


■あの有名馬主との確執も読める?

基本的には武豊ファン向けの本であることは間違いありませんが、Amazonの内容紹介には、

天才・武豊「苦難の日々」の真実! 有名馬主との確執から悪夢の落馬事故、そしてどん底のスランプまで。

という記載もあり、特に武豊ファンでなくても競馬ファンであればちょっと気になるところです。

ただ残念ながらアドマイヤの馬主との件や、社台グループとの不仲?説について、特に踏み込んだ面白い記載はなかったと思います。私もどちらかと言うとこの部分に期待していたので、ちょっと肩透かしでした。


■どんな人にこの本がオススメか?

この本の内容を端的に示しているのは、ウオッカに関する記述だと思います。
2009年の天皇賞秋で3着に負けて、ルメールに乗り替わってジャパンカップ勝ちということがありました。

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この本での記述は

天皇賞秋は、距離が延びる次走のジャパンカップを見据え、溜める競馬をしたら3着に敗れた。その結果、ジャパンカップではクリストフ・ルメールに乗り替わりになって勝たれ、美味しいところを持って行かれてしまうなど、…

と、「美味しいところを持って行かれた」と書かれています。あたかも天皇賞秋の目先の勝利に拘らず、先を見据えた溜める競馬が功を奏してジャパンカップの勝利に結びついた、と取れる記載になっています。

実際のところはどうなのかは私にはわかりませんが、上記の競馬観に共感できればこの本はより楽しめると思います。




タグ:騎手 競馬本
posted by knaka at 14:56 | 競馬本レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする